阪神はすでに完成された右腕の補強を目指していた。
そのはずだった。
ファン、マスコミ、球団関係者。
誰もがそう信じて疑わなかった。
しかし、佐々木千隼を1位指名すると予想されていた阪神のドラフトは当日になって大きく加筆修正された。
フタを開けてみると、12球団の1回目の選択希望選手に佐々木の名前はなかった。
結果論を言っても仕方がないが、一途な愛を貫いていれば、佐々木を単独指名して一本釣りすることもできた。
誰も予想しなかった、まさかの結末となった。
1位で野手を指名した阪神は、2位で完成された右腕を指名する必要性があった。
それはドラフト当日に修正した指名プランの筋書きに沿った展開とも言える。
2位は本格派右腕を、
それも即戦力右腕を。
そんな中、阪神タイガースが指名したのは最速152キロを投じる完成された本格派右腕、小野泰己だった。
どんな選手なのか詳しく見てみよう。
ドラフト2位小野泰己
名前
小野 泰己 (おの たいき)
ポジション
投手
身長/体重
183cm/76kg
生年月日
1994年5月30日
投打
右投右打
長身細身の本格派右腕。
しなやかな腕の振りから、ストレートの最速は152キロ。
西武ライオンズの岸タイプと評されることもある。
高校では甲子園の出場経験はない、
富士大では2年春からベンチ入り。
リーグ戦通算12勝で、3年の秋には4勝0敗で防御率0.00の快投を見せた。
大学に入って才能を開花させた小野だが、先日おこなわれた大学野球の明治神宮大会東北地区代表決定戦の最終日で、少し心配な出来事があった。
神宮への切符をかけた決定戦は緊迫した中で、142球の完投勝利。
その前日には7回を投げて106球を投じていた。
2日連続の先発登板で、球数は合計248球に至った。
新聞やマスコミは、その投げっぷりを称賛している。
鉄腕だ、タフネス右腕だと騒ぎ立てているが、登板過多でどこかに不調をきたさないか心配になる。
それでも小野は目標としてきた神宮への切符を手にした喜びを爆発させていた。
「ここ(明治神宮野球大会)を目標にやってきたので、優勝できてよかった。疲れもなく、いつも通り投げられたと思います。この1年間、エースとしてやってきた。最後、自分が投げきるつもりだったので、それがかなってうれしい」
そして連投になったことについては「体に張りがある方がいい投球ができる」と問題ないことをアピールした。
この日、スタンドから投球を見守った阪神の葛西スカウトは「肘の使い方がいい。うまくリリースするコツを知っている。肩、肘に負担がかからないからけがもしにくい」とドラフト2位投手にご満悦だった。
ちょっとは心配しないの?と僕はそんな違和感を覚えた。
連投することによって選手寿命が短くなる可能性もある。
若いうちは、とか。
今は大丈夫、とか。
本人も周りも、そんな感情を持っているかもしれないが、
一年でも長く、一日でも長く、一イニングでも長く登板したかった。
そう言って引退していった投手が何人いただろう。
ケアは万全にして欲しい。
過保護すぎても良くないが、入団前からケガなどしないように、というのがファンである僕の思いだ。
それでもやはりスタミナに自信がある完投型の投手は、今から期待してしまう。
早くタテジマのユニフォームでのピッチングを見てみたい。
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