2016年12月16日
とても寒い朝の出来事だった。
この冬いちばんに冷え込んだこの日、予想していたこととはいえ、思いもよらない突然の知らせに体とともに心まで震えた。
金田和之投手が、糸井嘉男のフリーエージェント移籍の人的補償としてオリックスへ移籍することが発表された。
2013年のドラフト5位で入団した金田は、過去3年間での通算成績は56試合に登板して7勝1敗、防御率4.27。
中継ぎでの登板のみで、力強い真っ直ぐが魅力だった。
今季2016年は6試合に登板して1勝、防御率6.00という成績だった。
決して華々しい結果を残してきたわけではない。
それでもタテジマのユニフォームに袖を通し、われわれの前に56回も姿を見せて、マウンドで相手と闘ってきた虎戦士が突然退団することになり、複雑な心境になった。
オリックスへ旅立つ金田和之投手に向けて、少しでもエールを送れればと願う。
新天地オリックスでも「挑む」
元ロッテでメジャーリーグでも活躍した小宮山悟氏が発した言葉を思い出していた。
「『プロ野球』というのはひとつの会社のようなもの。そのプロ野球に入社して、『12球団』という全国の配属先に人が割り振られる」
今回の金田和之のオリックス移籍は、人事の配置転換のようなものと捉えるようにしよう。
違う営業所や部署に行くということで、プロ野球を辞めるわけではないのだから、旅立つ金田を盛大に見送ってやろう。
いちばん驚いていて、不安とかもあるのは金田自身だと思う。
だからこそ、オリックスへ行っても更なる活躍ができるように、応援したいと思う。
新しい職場環境に少しでも早く慣れて、阪神タイガースでの活躍以上のものを期待したい。
金田にとってはまたとないチャンスが訪れたと言っていいのかもしれない。
前進あるのみ、アピールあるのみ。
まだ年齢も26歳だし、いくらでも成長の可能性はあるように思う。
阪神タイガースから出ていって、「ちきしょう、金田がいれば」って思わせてしまうほどの活躍を見せて欲しい。
ここで球団を通じて発表された金田和之投手のコメントを紹介する。
「突然のことで正直驚いています。タイガースを離れるのは寂しいですが、少しでも早く気持ちを整理し、切り替えて、来季、オリックスの勝利に貢献できるように頑張りたいと思います」
新天地オリックスでも猛虎戦士の魂を胸に秘めつつ、来季のタイガースのスローガンのように「挑む」金田和之を見せてくれることを期待している。