経験豊富なベテラン左腕の能見投手は、今年でなんと37歳になります。
見た目が若いから、そんな年には見えませんが、先発投手としていつ投げられなくなってもおかしくない年齢です。
かつては速球派左腕として2012年には最多奪三振も獲得した能見投手ですが、ここ数年は変化球に頼ることも多くなり、技巧派への道を歩み始めようと本人も考えていた矢先、金本知憲が監督に就任してから状況は一変しました。
「真っすぐにこだわれ!」
そのように金本監督からアドバイスされ、今年はもう一度速球に磨きをかけ優勝に貢献する覚悟を決めたといいます。
「(昨シーズンは)自分としては物足りないと感じました。ここ2年負け越しているので、どう打破するか、しっかり考えていきたい」
シーズンの終盤では、抑えのオスンファン離脱もあり、リリーフも経験しました。
歯痒い昨シーズンの経験を踏まえて、今年ステップアップするにはどうするべきか、それを金本監督はわかっていたのかもしれません。
目指すは大投手、工藤公康!
「能見には言った。工藤さんみたいなピッチャーになれと。技巧派にはいつでもなれるから。チーム方針として、ピッチャーはまず速い球にこだわる。まずはそこから」
金本監督の持論でもあり、速球派から技巧派にはいつでもなれる、だが逆はありえない。
この言葉は、速球派として素晴らしい起動を見せていたかつての能見投手を、まだ衰えたなんて思っていないと感じているからこそ出たのだと思います。
あえて工藤公康を挙げたのは、同じ左腕ということだけが理由ではなく、47歳まで現役を続け、40歳を超えても140キロ超えの直球を投げていたからでしょう。
年齢に関係なく、直球で勝負していってもらいたいという金本監督の思いが、あったのでしょう。
技巧派転身に踏み出すか悩んでいた能見投手にとって、これほど救われる言葉はないはずです。
実際に能見投手は「そう言ってもらえるのはありがたい。その気持ちでやるので。(捕手のサインが)どうしても変化球のほうが年々多くなっているというのもありますし、その意味を自分が理解しないと。勝負のところでなかなか真っすぐのサインが出ないところが、そういうところかなと感じます。キャッチャーが真っすぐでも勝負できるな、という質を求めていかないといけない」と決心しています。
能見が勝ち越しを5個作れば優勝できる!
昨年の能見投手の対戦成績では、ヤクルトに0勝3敗、そして巨人に2勝2敗。
かつては巨人キラーと言われていたが、ここ5年間は巨人から勝ち越しを奪えていません。
それでも昨年、阪神では6人目となる球団5位タイの巨人戦通算20勝を記録しています。
能見の通算勝利数が84勝のため、自身の勝ち星の4分の1近くを巨人から挙げている計算になります。
巨人だけがライバルではないですが、やはりセ・リーグのペナントレースを勝ち抜く上では無視できない存在です。
巨人に勝ち越しを1つでも多く作り、最終的に能見投手だけで勝ち越しを5個作ることができれば、今年は阪神が優勝します。
藤浪投手とメッセンジャー投手で勝ち越しを7個、岩田投手と能見投手で勝ち越しを5個、藤川投手で3個作れば大丈夫!阪神が優勝です。
今年の秋が、素晴らしい季節になるように。