2016年12月5日
大阪市内のホテルにて2017年度の新人選手入団発表会が行われた。
ドラフト1位指名の大山悠輔をはじめ、小野泰己、才木浩人、浜地真澄、糸原健斗、福永春吾、長坂拳弥、藤谷洸介と指名した8人の選手すべてが晴れて阪神タイガースに入団となり、真新しいタテジマのユニフォームに袖を通した。
未来のスター候補が初々しく入団した。
昨年度は6人だった新人選手が、今年は2人増えて8人となった。
それだけ競争が激しくなり、チームも活性化されていく。
8人の選手達は、緊張の面持ちで会見に臨み、入団の喜びや今後の目標について語った。
冒頭の監督からのあいさつでは、早速、金本節を全開にした。
「今年のドラフトは顔のいい順に取ってきました。8人のイケメンが揃いました」
会場の雰囲気をいっきに和やかにさせたこの言葉は、さすがの一言。
入団する選手達の緊張を少しだけ和らげたことだろう。
それでも、ジョークだけで終わらせないのが監督の仕事で、締めるところは締めた。
「(新人選手達に) 最初に言いたいことは『いい練習をたくさんやった者が生き残っていく』ということ」
中でも注目されたのはやはり1位指名の大山だった。
目標は高山超え!世代最強大谷にも宣戦布告
ドラフト1位指名の大山は、堂々と高山超えを宣言した。
今年の新人王に輝いた昨年のドラフト1位高山が球団安打数記録を更新した今年、さらにそれすらも超えてやるという強い覚悟が大山にはある。
金本監督が惚れた今年のドラフト候補の中で一番という打力には本人も自信がある。
その意気込みを語った。
「今年高山さんが新人王を獲られた。自分も続けるように頑張りたい。(球団新人最多安打の136本)そういうのを、しっかり超えられる選手になりたいと思います」
右と左で打席は違う、外野手と内野手でポジションも違うが、同じドラ1野手として1年先輩の高山からも盗めるものは盗むかまえだ。
「1年目から素晴らしい成績を残された方。吸収できる部分は一つでも多く吸収したいと思っています。積極的に話しかけていきたい。タイミングの取り方など参考にできる部分があると思う」
そして大山の背番号はタイガースの象徴とも言うべき「3」に決定した。
かつては八木裕氏や関本賢太郎氏などの、代打の神様と呼ばれた男たちが付けてきたファンも思い入れのある背番号だ。
それだけ期待の高さがうかがえる。
「そういう番号に恥じない活躍や選手になっていきたいですし、試合の流れを変えることができる一打を打ちたい」
会見では金本監督と似ているというインタビュアーからの問いかけに困惑しながらも見事な掛け合いをする一幕もあった。
そんな期待のドラ1にも甘えは許さないのが金本流で、「まだ体はできていない。もっと上半身が大きくてもいい。そこの強さは大事。あらゆるミスをカバーしてくれるから」と、注文を忘れなかった。
これに対して大山も呼応するように「金本監督のように強い体をつくって長く野球ができるようになりたい。素晴らしい方がつけてきた背番号に恥じないように頑張ります」と力強いコメント。
まずは高山のように開幕一軍を実力で勝ち取って欲しい。
助っ人外国人は不要だ。
それぐらいのものを見せて欲しいと思う。
大山だけじゃない!それぞれの個性
ドラフト6位福永はお立ち台で魅せる!
四国アイランドリーグに在籍したドラフト6位の福永投手は、入団会見で早くもお立ち台でのパフォーマンスを公言した。
披露するのは徳島の伝統である阿波おどりだ。
「1日でも早く1軍で登板して、甲子園で勝利投手になってお立ち台で徳島の皆さんのためにも阿波おどりを披露したいと思います。県民の皆さんが、踊ってくれと言うことなので、しっかり披露したいと思います」
会場の笑いを誘い、詰めかけた報道陣の心をがっちりと掴んだ。
ドラフト3位才木はガッキー愛で輝く!
ドラフト3位の才木投手は女優の新垣結衣の大ファンだということをアピールした。
現在放送中の人気ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」のエンディングで注目されている恋ダンスを「一緒に踊りたい」と、熱烈アピールした。
なんとも初々しい会見だ。
「ガッキーが好きなんです。火曜日のドラマはずっと見ています。(活躍して)会えたら最高です」
男の原動力は女。
核心だろう。
実に明瞭で混じりっけのない目標だと思う。
18歳の高卒ルーキーだから許されるコメントのような気もするが、ドラフト3位の才木は注目したいと思った。
笑いだけではなく、もちろんしっかりとしたビジョンも明かした。
目標とする選手に藤浪の名を挙げた。
同じ高卒で入団し、1年目から1軍で活躍しているだけに何よりも身近で偉大なお手本と言える。
長身で手足も長く、体形もどことなく藤浪と似ていることから、「手足の使い方を学びたい」と弟子入りも志願した。
ドラフト2位の小野は福原がつけた28を背負う
ドラフト2位の小野投手の背番号は「28」に決まった。
多くのファンから愛された福原忍が背負っていた背番号を与えられた小野は、そのまま目標に福原を思い描いた。
「プレッシャーがかかりますが(背番号に)負けないようにしたい。28番でよかったと思いますし、うれしかった。福原さんが長年つけられていたイメージがあります。歴代すごい選手がつけられていた番号28番をつけるということで、それくらいの覚悟を持ってやっていきたい」と意気込みたっぷりだった。
投球スタイルも福原と酷似している。
速球派投手として、タイガースに欠かせない投手となってほしい。
さらにドラフト1位の大山にも宣戦布告をした。
新人王に俺はなる。
同じ球団で新人王を争うという頼もしい目標も掲げてくれた。
まとめ
本当に楽しみな選手が多い。
今年のタイガースのドラフト指名は失敗だ、というプロ野球関係者やファンは多い。
はたして本当に失敗だったのか。
失敗ではなかったことを新人選手達がきっと証明してくれるだろう。