今年は思うようなシーズンを送れなかったタイガースが、本拠地の甲子園球場の超変革に乗り出すことになった。
広島カープに25ゲームほど差をつけられた、なんとも悔しい1年だった。
25ゲーム差をつけられた要因は色々とある中で、走る野球という金本監督が目標として掲げた野球スタイルを確立できなかったことが大きなウェートを占めていた。
そんな中で、阪神球団は、来季から秘密兵器を甲子園球場に設置すると発表した。
さらに前々から議論が起こっているホームランゾーンの拡大、いわゆる「ラッキーゾーン」の復活についても、今回紹介したいと思う。
秘密兵器は定点カメラ
阪神タイガースが投入に至った秘密兵器は、なんとカメラ。
甲子園の一、三塁側に球団の専用カメラを設置するということらしい。
いったい、そのカメラは何に使われるのか。
撮影の対象物はピッチャーで、投手の癖などを分析するために使われる。
相手投手を徹底的に分析して、盗塁の成功率を高める狙いがある。
チーム盗塁数は、138試合経過で57盗塁。
セ・リーグ最低の数字だ。
もっと衝撃なのは、オリックス糸井嘉男の今シーズン盗塁数が53なので、タイガースのチーム盗塁数は糸井1人の成績と変わらないって部分。
これはマズすぎる。
そこで、ようやく秘密兵器を投入するらしい。
でも、じつはコレ、すでに他球団では導入しているチームが多く、阪神は後発組に入るようだ。
今年優勝した広島カープはすでにマツダスタジアムに配備済みで、タイガースの投手陣も録画されて徹底的に分析されている。
いやらしいよね。
このカメラはもちろん、自軍の投手に対しても撮影がおこなわれ、投球動作の癖を修正するために使われる。
これまではスコアラーがハンディカメラで撮影していたが、固定カメラにすることで精度の向上と、スコアラー2人分の時間と労力が無くなる。
違う分析に時間を当てられることになるわけだ。
これからはスコアラー陣の分析能力もチーム成績に影響を及ぼす時代になるといえる。
もちろん、カメラ撮影にはルールもあって、相手ベンチを映すことは禁止となっている。
ラッキーゾーンの復活待望論
1947年から91年まで存在していた甲子園球場のラッキーゾーン。
若い虎ファンには、馴染みがないと思う。
僕も記憶にほとんど無い。
このラッキーゾーンがあったおかげで、かつては甲子園でもホームランが多かったらしい。
掛布、岡田、バースなんかの時代だと思う。
それをなぜ撤廃したのかは、ここでは置いといて。
それを復活させたらどうだ?と提唱した人がいる。
大の阪神ファンとして知られる関西大学の宮本勝浩名誉教授(71)という人だ。
知られる?のかな。
ごめんなさい、僕は知りません。
宮本さんが言うには、「野球の華であるホームランが甲子園で少なすぎる!ラッキーゾーン復活、客席をフェンス前に増設するホームランシート設置を真剣に検討してもいいと思います」
なんでも、チームの本塁打数の増加だけでなく、経済学者の視点からも、それが球団にとって大きなプラスになるというのだ。
というのも宮本教授が提唱する理由はホームラン増加の観点だけではないようで。
「単に小さくするラッキーゾーンもそうだが、座席を設けるホームランシートも理想的。動員数も増えて経営的にもプラス。ホームランが増えれば大いに経済効果が期待できます。負け試合でも自軍選手のホームランが見られればファンは喜ぶ。うれしいと人は気が大きくなって財布のひもがゆるむ。もう一杯ビールを飲もうかな、負けたけどホームランをつまみに近くの店で反省会をしようとか。いろんなところが潤う。私は若い時に田淵さんのホームランを見たくて甲子園へよく行きました。勝てなくてもホームランを目の前で見られた時は本当にうれしかった。また行こうってなるんですよ。一発には、ものすごいパワーがある。試合をひっくり返す、試合の流れや空気を変える、チームやファンに希望を与える。強いチームというのは劣勢でも最後の最後まで分からないという戦いをする。今年の広島なんかもそうじゃないでしょうか。逆転勝ちが非常に多い。一発でひっくり返す試合も多かったし、中盤の一本で球場の雰囲気を変える効果的な一発も目立った。本拠地でのホームランには想像以上のパワーがある」
うん、一理も二理もあるかも。
良いこと言うね。
たしかに見に行った試合でホームランが出ないと寂しく感じるし、たとえ負けても豪快なホームランが見れたらちょっと嬉しかったりする。
掛布二軍監督も、この復活論には賛成のようで、「甲子園球場縮小化の考えはあっていいと思います。過去に球団に対してラッキーゾーン復活を選手が要望したこともあったみたいです」と話してます。
でも、賛同しながらも「ただ、甲子園は高校野球があるので球団の意向だけでは決められない事情があるようです。そこがネックなんですよ」とのこと。
なるほど、たしかに高校野球の問題もあるのか。
実現には多くのハードルを越えないといけないようだ。
相手チームにもホームランが増えるという問題はあるにせよ、やっぱり野球の花形はホームラン。
1点を争う緊迫した投手戦もいいけど、ここぞの場面でホームランが飛び出して逆転する試合も楽しいと思う。
ホームランが多くなるのは、ピッチャーの方々には申し訳ないけど、僕は賛成ですね。
ラッキーゾーンの復活、良い考えだと思います。