2023年3月、実に6年振りに開催される野球世界一決定戦、「ワールドベースボールクラシック」。14年振りの世界一奪還に期待がかかる侍ジャパン、阪神タイガースからも選手が選出されています。
今回は阪神から選出されたWBC代表について紹介しますよ。
侍ジャパン メンバーとなった阪神タイガースの選手は?
1月26日の侍ジャパン登録予定選手発表記者会見で、30人の選手が2023年WBCを戦う代表選手として発表されました。NPB12球団の選手の他、メジャーリーグで活躍する選手達も召集され、攻守に隙の無い面子が集いました。
阪神タイガースから代表として選出されたのは、湯浅京己投手と中野拓夢内野手の二名。2週間の阪神での春季キャンプを経て、2月16日に侍ジャパンの合宿が開催される宮崎に入りましたよ。
独立出身剛腕リリーバー、湯浅京己
WBCで背番号22を背負うのは、2022年シーズンの阪神のブルペンを支えたリリーフ投手、湯浅京己選手です。23歳、最速156キロを記録する剛腕リリーバーは独立リーグ出身という特異な経歴を持つ選手でもあります。
聖光学院高校一年時に腰痛を発症し選手復帰は高校二年の秋まで遅れ、三年夏の大会の際には聖光学院が甲子園進出を果たしながら自身はベンチ入りメンバーから外れることに。そんな中でも早期のプロ入りを目指して大学進学ではなく独立リーグ、BCリーグの富山GRNサンダーバーズに入団。翌年のドラフトで阪神から6位指名を受けてNPBの選手となりました。
プロ入り序盤は怪我と付き合いながらの生活
プロ入り一年目の4月という早い段階で2軍初先発、初勝利を記録した湯浅投手。しかし6月に腰椎を疲労骨折、同年秋にも腰椎を骨折し、二年目もシーズンの大半を腰椎のリハビリに費やします。
プロ入り三年目、2021年のシーズンは右足(ハムストリング)の肉離れで開幕に出遅れるというトラブルが発生。高校時代に引き続き怪我に苦しみ続けます。
しかし同年はストレート自己最速153キロを記録するなど大器の片鱗を見せ、一軍初登板も経験しました。
プロ入り四年目、リリーバーとして覚醒
初めて春季キャンプを一軍で経験すると、そのまま開幕一軍の座もつかみ取ったプロ四年目、2022年のシーズン。4月中旬から6月中旬にかけて17試合連続で無失点に抑えるなど、一軍の舞台でも活躍を見せます。
オールスターのファン投票でセ・リーグ中継ぎ投手部門トップで選出され、後半戦にも8月から10月にかけて28試合連続無失点を記録、CSファーストステージではセーブも記録しました。
同年の登板数は59、防御率は驚異の1.09。ホールド数は43で、ホールドポイントは45。中日ドラゴンズのジャリエル・ロドリゲス投手と共に最優秀中継ぎのタイトルを獲得しました。
侍ジャパンのリリーフエースとして期待がかかる
歴代最年少タイで最優秀中継ぎのタイトルを獲得した湯浅投手。独立リーグ出身選手による投手タイトルの獲得、国際大会の代表への選抜はいずれも史上初めてのことです。
栗山監督は、投球内容次第では侍ジャパンの抑えに抜擢する可能性も示しており、阪神の岡田監督も栗山監督との会談でバックアップを約束。春季キャンプではWBCで使用される球を用いて練習させましたよ。
苦労人右腕の国際大会での躍動に期待したいですね!
リーグ屈指の遊撃手、中野拓夢
WBCで背番号7を背負うのは、阪神の正遊撃手として活躍した中野拓夢選手です。26歳、右投げ左打ちで二遊間を守ることができる、高い安定感を誇る野手ですよ。
高校時代は日大山形高校で甲子園も経験、山形県勢初の夏ベスト4入りに貢献し、東北福祉大学では一年春からベンチ入りしました。3、4年時にはベストナインも経験しましたが、その後更に三菱自動車岡崎で社会人野球も経験。2020年ドラフトの6位で阪神に指名され入団した、オールドルーキーでしたよ。
プロ入り初年度から大活躍
24歳で迎えたプロ一年目、開幕一軍入りを果たすとシーズン序盤にショートのレギュラーを奪取。オールスターファン投票でも遊撃手部門で一位を獲得しました。
135試合、525打席で打率.273、出塁率.321と上々の成績、更に盗塁数30、盗塁成功率.938で歴代最小盗塁失敗数での盗塁王に輝きました。新人特別賞も受賞する、充実のルーキーイヤーでしたよ。
二年目にはベストナインにも輝く
プロ二年目も前年同様135試合に出場、打席数は610と大きく伸ばしました。シーズン途中から一番起用も増え、打率.276、出塁率.301、盗塁数23と前年同様の安定感ある成績を残しました。安打数157はリーグ3位の記録、本塁打も前年の1本から6本へと大きく増やしました。
同年は遊撃手部門でベストナインにも輝きましたよ。
三年目は二塁手転向も侍ジャパンではショートを務める
2023年シーズンは、新しく就任した岡田監督の方針で主に二塁手を務めることが告知されている中野選手。一年目はセカンドで18試合出場したものの、昨年は一度もセカンドのポジションに就きませんでした。そのためシーズンに向けてセカンドの練習に重きを置く必要があった中野選手ですが、一方で侍ジャパンでは他にショートの経験が豊富な選手が源田選手一人くらいのため、中野選手もショートでの起用がメインになると想定されます。
栗山監督と岡田監督の会談では、岡田監督は「阪神のキャンプでは二塁しかやらせない」と明言。栗山監督も「こちら側からショートでの調整はお願いしない」と語っていましたよ。
最後に
今回はWBC2023の代表に選出された阪神タイガースの選手について紹介しました。
昨年開幕9連敗からAクラス入りを果たした阪神タイガース。その原動力となった若武者二人が侍ジャパンでどのような活躍を見せるのか、注目です!