2016年11月28日
東京都内のグランドプリンスホテル新高輪にて、「NPB AWARDS 2016 supported by リポビタンD」が開催された。
一年間のペナントレースを終えて、タイトルホルダーとなった豪華な選手達が一同に介した。
そんな中で、セントラルリーグの新人王に選ばれたのは、高山俊だった。
阪神タイガースの新人王は、2007年の上園啓史以来9年ぶり、外野手としては2001年の赤星憲広以来15年ぶりの快挙。
開幕を見事に一軍スタメンからスタートした高山は、一度も降格することなく134試合に出場した。
チーム2位となる打率.275で、阪神タイガースの新人記録を塗り替える136安打を放った。
またセ・リーグ2位となる得点圏打率.377という勝負強さも光り、投票総数271票中、220票を集めての受賞となった高山は素直に授賞を喜んだ。
「新人王というのは一生に1度のもの。そういう賞に選んでいただいてうれしい。家族をはじめ僕の野球人生に携わってくれた指導者、応援してくれた皆さんに感謝したい」
また、授賞できたことに対する質問には、監督の起用に関して感謝するコメントも聞かれた。
「超変革という年に入団し、金本監督に試合に使っていただいた。そこが受賞の一番の要因だと思います。1年間やり抜く体力面については、すごく監督にいわれてきました」
さらに活躍を今年だけで終わらせることのないよう、来年からの抱負も語った
「来年も外野手の競争は激しい。競争を勝ち抜けるように全試合スタメンで出られるように頑張りたい。いろいろな記録を残された選手たちと、もう一回、同じ舞台に立てるように成績を残さないと。来年は違った形で、この会に来たい。今日で改めて優勝したいなと思いました」
ここまでの好成績を残したことには、一年間をフルで戦い抜いてきた体力面も大きな要因として上げられる。
今年一年の高山を振り返ってみたい。
2016年セ・リーグ新人王高山俊
金本タイガースの象徴とも言うべき活躍を見せた高山は、6月頃に一度調子を落とすものの、一年を通して高いパフォーマンスを披露した。
バットコントロールに非凡な才能があり球団新記録となった136本のヒットの内訳が実に見事である。
レフト方向に33本、センター方向に39本、ライト方向に41本とほぼ均等に打ち分けている。
さらに内野安打も23本を記録しており、足の速さもヒットメーカーを支えている。
また、球団新記録となったのはヒット数だけではない。
出場134試合というのも球団の新人記録となった。
ケガをしにくい体というのは、超一流選手として必要な要素であり、高山は大学時代の4年間でもほとんどケガでの欠場というものがなかった。
ケガをしない選手といえば、すぐにイチローの名前を思い出す。
数々の偉大な記録を残し続けてきた裏側には、試合に出続けるという当たり前だが達成困難な積み重ねがあるからだ。
高山は今年一年でフルシーズン戦ったという財産を残した。
糸井加入でさらに外野手の争いは激化していくが、高山なら大丈夫だ。
そう思わせるほどに技術力がある。
その技術力におごることのない謙虚な姿勢と、チャンスに臆することのない強靭なメンタルがある。
2年目こそ勝負の年。
そしてチームも12年間遠ざかるリーグ優勝に向けて動き出す。
絶対に来年も高山の力が必要だ。
そして、きっと我々ファンの期待に応えてくれるだろう。