捕手育成には長い年月を必要とし、敗戦が続いても一人の人間を起用していく我慢強い采配が要求される。
捕手は簡単には育たない。
試合で、それも一軍の最前線の試合で使い続けてこそ捕手は成長する。
12球団が永遠に抱え続けるこの難題に阪神タイガースも近年悩まされてきた。
長年、扇の要として阪神タイガースを支え、2度のリーグ優勝に貢献した矢野燿大が引退してから、なかなか正捕手を固定できていない。
狩野恵輔や城島健司がそれに続いたが、長期間阪神タイガースの正捕手を勤めたとは言えず、藤井彰人や鶴岡一成、小宮山や清水といった捕手がマスクを代わるがわるかぶった。
そんなお家事情にようやく一筋の光明が差し込んだ。
2年目の梅野隆太郎の台頭である。
リード面などの課題はまだまだあるものの、魅力的な打撃は他の捕手にはない可能性を感じる。
今後いかにして阪神タイガースの正捕手にのしあがるのか、これまでの成績などもふまえて見ていきたいと思う。
プロフィール
基本情報
氏名:梅野 隆太郎 (うめの りゅうたろう)
国籍:日本
出身地:福岡県
生年月日:1991年6月17日
身長:173 cm
体重:77 kg
血液型:A型
選手情報
投球/打席:右投/右打
ポジション:捕手
背番号:44
プロ入り:2013年 (ドラフト4位)
一軍初出場:2014年3月28日 (対読売ジャイアンツ戦)
野球経歴
福岡工業大学附属城東高等学校
福岡大学
阪神タイガース (2014 – )
成績
打撃成績
年 度 | 試 合 | 打 席 | 安 打 | 本 塁 打 | 打 点 | 盗 塁 | 犠 打 | 四 死 球 | 三 振 | 打 率 | 出 塁 率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2014 | 92 | 265 | 49 | 7 | 21 | 0 | 2 | 12 | 78 | .197 | .232 |
2015 | 56 | 149 | 33 | 4 | 18 | 0 | 4 | 7 | 33 | .239 | .276 |
通算:2年 | 148 | 414 | 82 | 11 | 39 | 0 | 6 | 19 | 111 | .212 | .248 |
守備成績
年度 | 試合 | 刺殺 | 補殺 | 失策 | 捕逸 | 守備率 |
---|---|---|---|---|---|---|
2014 | 86 | 550 | 49 | 3 | 0 | .995 |
2015 | 55 | 263 | 24 | 4 | 3 | .963 |
通算 | 141 | 813 | 73 | 7 | 3 | .979 |
その他成績
獲得タイトル
なし
表彰
なし
記録
初安打:2014年3月30日 (巨人 大竹寛より)
初打点:2014年4月27日 (横浜 三上朋也より)
初本塁打:2014年4月27日 (横浜 三上朋也より)
年俸推移
年度 | 推定金額 | 増減 | 複数年 |
2014 | 840万 | ||
2015 | 1800万 | ↑960万 | |
2016 | 1500万 | ↓300万 |
プレースタイル
長打力に光るものがある未来に希望が持てるキャッチャーである。
まだ若く、リード面ではまだまだ課題が山積みではある。
二塁への送球が平均で1.9秒と強肩だが、盗塁阻止率はずば抜けて高くはない。
ピッチャーとの呼吸もあるが、経験を積めば盗塁阻止率は向上すると思われる。
リード面に関しては、まだまだ打者との駆け引きに勝てない部分が多く、良い意味でいやらしい捕手にはなりきれていない。
藤浪や能見といったエースクラスのピッチャーとの呼吸も良くないため、勝ち星につながるようなリードができないという大きな問題を抱えている。
打撃面では持ち前のスイングスピードの速さでホームランを打つ確率も高いが、2割後半の打率を残せるほどのミート力はない。
プライベート
173センチと野球選手としては小柄な伸長ですが、背筋力が200kgオーバーと力はすごく持ち合わせている。
チームメイトが、「肉といえば梅ちゃん」と言うほどの大食漢で、小柄な体型をカバーするだけの食べっぷりのようです。
またツイッターなどでも告白しているように、女優や歌手として活躍している大原櫻子の大ファンのようで、いつか彼女のハートを射止めたいと本気で思っているようです。
かわいいね梅ちゃん。
つーかね、リアルにお似合いなんじゃね?って思います。
ジャンケンやと完全に梅ちゃんの負けですね。
雰囲気も似てるし、良い夫婦になれると思います。
正捕手の座を勝ち取ったら、大原さん、なんとか梅ちゃんに花持たせてやってください。
勝手に個人的総括
5-tools
ミート | 長打 | 走力 | 守備力 | 送球 |
E | C | E | D | C |
ミート
打率は2割前半しか残せていないため、これからの改善や課題が山積みな状態である。
持ち前のスイングスピードの速さを活かして、相手投手の球を線で捉えるバッティングをすれば打率向上につながるだろう。
長打
ルーキーイヤーで7本の本塁打を放ち、2年目は苦しみながらも4本のホームランを放った。
捕手という立場で長打力を残せることは魅力的だ。
まだまだ伸びしろも多いので、これからも長打力では現タイガースの捕手陣の中でトップクラスに君臨できるだろう。
走力
2年間という少ないキャリアながら、奪った盗塁は0で、ベースランも目立って早いわけではない。
足は期待しなくて良いだろう。
走れる選手として期待するのは酷だ。
守備力
ルーキーイヤーに打ち立てた捕逸
(パスボール)0は素晴らしい記録だ。
キャッチャーを評価する上での指標となる3つであるキャッチング、リード、スローイングに関して、キャッチングに関しては及第点をあげて良い。
だがリード面ではまだまだベテランの鶴岡一成などと比べるともろくて若い部分がたくさんある。
今後の経験に期待したいところ。
送球
盗塁阻止率はさほど高くない。
強肩であることは確かなのだが、コントロール不足と盗塁予測力などの経験が浅いためにランナーに走られて盗塁を許してしまう場面が多い。
これも経験と言ってしまえば簡単に話は終わってしまうのだが、せっかくの強肩を生かすも殺すも梅野隆太郎本人しだいだ。