3本の柱がある建物と5本の柱がある建物。
皆さんはどちらの建物に住みたいと思うだろうか。
2016年の開幕前、阪神タイガースという建物には5本の柱があった。
藤浪晋太郎、メッセンジャーという右投手の2枚と能見篤史、岩田稔という左投手の2枚だ。
左右両方に2人ずつ、1年間を計算できる素晴らしいピッチャーがいるという予想を立てることができた。
さらにそこにメジャーリーグ帰りの藤川球児を加えた5人の柱。
2016年の開幕前はこの5人が確実に1年間ローテーションとして働くと予想されていた。
しかし蓋を開けてみると、能見篤史、岩田稔という左腕の2人が早々に実力を出せずに負けを積み重ね、藤川球児も勝てないという悪い流れになり、ローテーションは5月の段階で瓦解。
藤浪晋太郎も4年目のシーズンにして初めて二桁勝利を逃すなど黒星が先行、唯一及第点を挙げても良い活躍をしたのはメッセンジャーのみとなった。
希望に満ちた2016年とは対照的に・・・
正直に言うと、2016年の開幕前のローテーション予想はかなり楽しかった。
ワクワク感やドキドキ感といった野球少年のような面白さがそこにはあった。
確定した5人に加えて6番手として誰がローテーションの最後の一枠を勝ち取るのかという予想も楽しかった。
これだけ素晴らしい先発ローテーションを組めるチームは12球団を見てもそうはなかった。
しかし予想通りに行かないのがプロ野球のペナントレースだ。
プロ野球はそう簡単ではないということを改めて痛感させられた一年だった。
ボロボロになった柱の中で唯一の希望の光と言えば3年目の岩貞が出てきたことだろうか。
快刀乱麻のピッチングを見せてくれた岩貞は25試合に先発して2完封を含む10勝をマークした。
正直、彼の存在がなければ2016年の阪神タイガースはもっと悪い成績になっていたことだろう。
そんな一筋の光が灯された2017年のシーズンに目を向けてみよう。
2017年開幕ローテーション予想
開幕ローテーションの一角として岩貞が登場してくれたことはかなり喜ばしいことだが、メッセンジャー、藤浪、岩貞という3人しか柱は確定していないと言ってもいい。
先発ローテーションが6人必要だということを前提に考えれば、あと3人、誰かを選出しなければいけないが、現状の阪神タイガースはあと3人を決めるのが難しい。
理想を言うならば右と左で、それぞれ3人ずつというのが理想だ。
既に確定している藤浪、メッセンジャー、岩貞は右2左1という構図である。
まずは残り1枚となっている右投手について見てみよう。
右投手の筆頭候補といえばシーズン途中からローテーション入り12試合に登板して4勝をあげた青柳だろう。
藤浪とメッセンジャーが本格的な右のオーバースローなのに対して、青柳は変則的なアンダースローという特徴を持っている。
ローテーションにおいて変化をつけることができるのも、おもしろい要素だ。
また先発投手として完投する程のスタミナを今後つけていくだけの可能性があるという点においても青柳は楽しみな投手だ。
1年間を戦い抜くだけの若い体力も十分にあると私は思う。
青柳に続く次の候補を見てみるが、悲しいことに次に来る先発投手がパッと思いつかない。
何とか搾り出して唯一思いついた名前は秋山拓巳ぐらいだろうか。
後は未知数のドラフト新入団選手がどれぐらいの実力を持っているのかというところしか楽しみはない。
残り1枚の右投手は青柳ですんなり確定でいいだろう。
明るい材料が少ないというのは悲しいことだ。
それでは次に左投手の残り2枚を予想していこう。
やはり筆頭となるのは能見篤史と岩田稔の2人だ。
彼らが復活するということが一番ベストだろう。
まだまだこの2人は老け込むには早いと思っている。
1回から9回まで完投する能力はすでにないとは思うが、5回、6回まで投げて試合を作る能力はまだ十分にあると思う。
ストレートのスピードはもちろん落ちているが、変化球や制球力、投球術といった技術に関してはまだまだ衰えてはいない。
十分に一軍レベルにある。
そしてなんといっても経験値においてこの2人のベテラン左腕は投手陣には欠かせない。
次に能見、岩田以外の左投手を見てみよう。
頭に浮かぶ左投手といえば横山、岩崎の2人ぐらいだろうか。
登録されている阪神タイガースの投手の中で左ピッチャーの先発というのがあまりにも少ないように感じる。
なかなか先発ローテーションとして先発で計算ができそうな投手がいない。
となれば、ドラフト新人選手はどうだろうか。
阪神タイガースは2016年のドラフトで6人の投手を指名した。
だが左ピッチャーは一人も指定していないのだ。
6人全てが右投手である。
左が不足している。
そういう意味では横山と岩崎という2人のピッチャーが先発としてどれぐらいの実力があるのかという部分が焦点になってくるが、あまり期待はしないほうが良さそうだ。
やはりここは能見と岩田に頑張ってもらうしかない。
では次に開幕試合に先発をする、開幕投手が誰になるのかを予想してみよう。
阪神タイガース2017年開幕投手は藤浪!
開幕投手と呼ばれるピッチャーはそのチームのエースが担当してきた。
長いプロ野球の歴史の中でそれは当たり前の事実としてファン、マスコミ、球団が理解してきたことだろう。
2016年の阪神タイガースの開幕投手はメッセンジャーが務めた。
昨年の開幕ローテーション予想の記事でも書いたが、メッセンジャーか藤浪晋太郎の2人以外に開幕投手が務まるようなピッチャーは阪神にいない。
これは今年も変わらないだろう。
では、どちらが開幕投手をするのか。
私は声を大にして言いたい。
開幕投手は藤浪晋太郎が務めるべきだ。
メッセンジャーではない。
2016年の開幕前に藤浪晋太郎は開幕投手について、次のようにコメントしている。
「僕は開幕投手に強いこだわりはない。開幕投手を熱望しているメッセンジャーが1年間気持ちよくローテーションで投げることができるのなら、それが一番チームにとって優勝に近づくという方法だと思う。それならばメッセンジャーに開幕投手を譲るという選択肢が一番チームのためになると考えている」
全てはチームの優勝を最優先に考えている藤浪らしいコメントだ。
確かにその気持ちも分からなくはない。
しかし、この先何年メッセンジャーが阪神にいるかわからないし、まだ22歳と若い藤浪が将来の阪神タイガースの投手陣を支えていくということは容易に想像できる。
そうであるならば、開幕投手は藤浪が務めるべきだろう。
今年もおそらく開幕投手はメッセンジャーになると予想されているが、もう一度言いたい。
やはり開幕投手は藤浪晋太郎が務めるべきだ。
それ以外はない。
キャンプや紅白戦、オープン戦で藤浪晋太郎がポテンシャル以上のものを発揮し、キャリアハイとなるぐらいの素晴らしいピッチングを見せれば、自身も周囲も「開幕投手・藤浪晋太郎」が当然だという考えに至るだろう。
そしてそうならなければいけない。
では最後に6人の先発ローテーションをまとめてお別れしよう。
開幕ローテーション6人は?
開幕投手ローテーション6人は右ピッチャーが、藤浪、メッセンジャー、青柳。
左ピッチャーが岩貞、能見、岩田。
予想、検証した結果この6人となった。
正直、この6人以外に思いつく名前がないという寂しさのみが残ったそんな印象しかない。
投手陣の底上げという意味でも若いピッチャーにがんばって、このローテーションの中にガンガン食い込んでほしいと願う。
シーズンが終わる頃、この6人のローテーションがどんな姿になっているのか。
想像だにしなかったピッチャーが出てくる。
そんな可能性だって十分にある。
1年間を通してローテーションを守れるピッチャーが一人でも多く出てくることを願っている。
最後に開幕スタメンオーダーを予想した「阪神タイガース2017開幕スタメンオーダー予想」の記事もお楽しみいただければ幸いだ。