2017年のスタメン予想したら優勝は夢のまた夢という結果に…

阪神タイガースの昨年は決まったオーダーがなく、固定して選手を使うことが極端に少ない一年だった。

今年こそは、ある程度固定したメンバーで一年間のペナントレースを戦い抜いて欲しいと願う。

まずは大前提として、阪神タイガースの目指すべきスタメンオーダーの話をする。

広い甲子園球場を本拠地にしていることと、昨年の打撃成績が著しく悪かったことを考えると、「守備力を重視したオーダー」を組むことが必要だと考える。

いったいどんなスタメンオーダーを組むべきなのか、今回は開幕戦のスタメンオーダーを勝手に予想してみる。

では、早速、ポジション別にスタメンを見ていこう。

捕手

キャッチャーの選考がなによりも一番難しく、そして勝敗を大きく左右する重要なポジションだ。

そして、いきなり過激なことを言うが、現状の阪神タイガース所属のキャッチャーのレベルでは、優勝はほど遠い。

残念だが、それぐらいに阪神キャッチャー陣のレベルは低い。

キャッチャーだけで優勝が決まるはずがないと思うだろうが、現状の阪神タイガースは、悲しいかな、そんなに楽観視できないのである。

ではまず、キャッチャーというポジションがいかに重要かを解説してみたいと思う。

9つある野球のポジションの中で唯一、キャッチャーだけが守備の際に他の選手と体の向いている方向が違うということを意識したことはあるだろうか。

残り8つのポジションを守る人間の正面の姿を見ることができることと、相手バッターの姿と、相手ランナーの姿を瞬時にその目で確認することができる。

つまり「今のゲームの状態」を一番鮮明にリアルタイムに認識することができるポジションがキャッチャーという位置なのだ。

よく野球のフィールドが扇形になっていることから、その要の部分にいるキャッチャーを「扇の要」と呼んだりするが、要がグラグラしていたり、壊れているとその扇はキレイに開かなかったり、バラバラに分解されてしまうというほど、要は大事であるということだ。

これほど重要なポジションはない。

そして、優秀なキャッチャーを育てることは何よりも難しいということも覚えておかなければいけない。

それを物語るエピソードとして、とある番組で複数のプロ野球解説者たちが、「藤浪と西武の炭谷をトレードしても良いぐらいに今の阪神には使えるキャッチャーがいない」という発言をしたことがあった。

これは1人の解説者の偏った考えという訳ではない。

その番組に出演していた数人の解説者も彼が言ったことに対して同意するという結果になった。

キャッチャーというポジションがいかに重要かがお分かりいただけるかと思う。

では、現在阪神タイガースでキャッチャー登録されている選手を見てみよう。

以下の選手達だ。

梅野隆太郎
小宮山慎二
岡崎太一
小豆畑眞也
原口文仁
坂本誠志郎
長坂拳弥

何よりもキャッチャーとして一番重要な「経験値」を誰も持っていないことが、名前を見ただけでわかるかと思う。

かなり多くのファンの方からの非難は覚悟の上ではっきり言ってしまうが、今年はこの中から誰か1人を我慢して使い続けたとしても、2位止まりが良いところだろうと思う。

しかし、その方法を取る以外に阪神タイガースの2017年の戦い方に選択肢はないだろう。

この中の誰か一人の選手と共に心中する覚悟でシーズンを戦い抜くしか道はないと思う。

昨年優勝した広島には、石原と會澤という経験豊富な2人のキャッチャーがいた。

日本一になった日本ハムにも大野という経験値の高いキャッチャーがいたのだ。

苦戦しながら、なんとか2位になった巨人も、打率1割代というお寒い打撃成績ながら、一年間を小林のみで戦い抜いた。

その結果の2位だ。

巨人にとって、これは大きな掛けだったと思う。

しかし、捕手小林と心中して、なんとか2位という成績で終えることができたのは、何よりも収穫だったことだろう。

今年の巨人は大胆なFA補給に目が行きがちだが、昨年の経験値をプラスした小林が今年も正捕手として巨人のマスクをかぶることが一番の脅威となると言っても過言ではない。

3位と躍進したベイスターズは、筒香の派手な活躍に目を奪われるが、一年間を通して、ルーキーの戸柱というキャッチャーをラミレス監督は使い続けた。

シーズンの序盤はかなり苦戦を強いられたが、後半に向かうにつれてベイスターズの勝率は良くなっていった。

戸柱がシーズン中に成長したからだ。

こんなに分かりやすいモデルケースはない。

全幅の信頼を置けるキャッチャーがいなかったから、我慢して1人の男の可能性に掛けた。

そんなラミレス監督の執念と忍耐の結果なのだ。

何度も言うが、それほどにキャッチャーというのは重要なポジションで、また育成が難しい。

時間が掛かるのだ。

とっかえひっかえ毎日替えていいポジションではないのだ。

昨年のように日替わりキャッチャーの起用方法を繰り返していては、阪神タイガースの優勝は遥かに遠い。

さらに未来も暗い。

では、話を現状の捕手陣に戻そう。

梅野、小宮山、岡崎、小豆畑、原口、坂本、長坂という7人の中で、キャッチャーとして一年間ペナントレースを戦い抜いた実績のある選手はいない。

一番始めに宣言したように、「守備力を重視したオーダー」という意味では、キャッチャーの打力は1ミリも考えなくて良いだろう。

かつての矢野や城島といった打てるキャッチャーは、かなりのレアケースだ。

打力もあればラッキーぐらいの感覚を持っていればいい。

打率が1割に満たなくても気にする必要はないのだ。

守備のことだけを考えさせるように監督、コーチや首脳陣にもキャッチャーの考え方を意識して欲しいと思う。

で、現状の捕手陣の中で誰と心中するかを考えなくてはいけないのだが、正直いうと選べないというのが答えになってしまう。

誰でも一緒だ!と言い捨ててしまいたいぐらいだ。

それでも誰か一人を選ぶとすれば、『坂本』ということになるだろう。

選考の理由は4つだ。

・一番守備力に可能性を感じる

・一年間を戦い抜くことができる強い体がある

・「打力」というオマケのことを考えなくていい

・将来設計を見据えることができる

守備に関してはリードや配給の組み立てと、送球、ゲームメイク、相手打者との駆け引きなど、まだまだ学ぶべきことは山積みだが、一年間戦えるだけの総合的な守備力は備わっていると思う。

あとは、どこまで精度を上げてレベルアップするかだが、それはシーズンを戦い出してみないと見えない部分ではある。

爆発的に才能を開花させるかもしれないし、その逆になるかもしれない。

強い体に関しては、ケガが多い原口や岡崎などが一年間マスクをかぶり続けるという計算が曖昧でリスキーすぎると考えた。

そして打力についてが一番重要な選考理由だと考える。

何度も言っているが、キャッチャーの打力はオマケだと考えなければいけない。

原口や梅野は中途半端に打力が良いだけに、打てなかった時に守備力にまで影響が及ぶというデメリットもあるような気がする。

しっかりとした守備力がある上で、プラスアルファで打力も良いというのが理想だが、打力先行になりがちだと、浮き沈みがある打力に起因して、肝心の守備が疎かになるのだ。

また、打力のある捕手だと打つ方に期待してしまい、打てなかった時の印象が悪くなるという悪い方向になることも懸念される。

上記の理由で、守備力に可能性があり、一年間戦える体を持ち、打力を期待しない選手で、若くて将来のある選手は『坂本』ということになる。

内野手

続けて内野手を選考していこう。

捕手の項目が思いのほか長くなったので、内野手はサラリと行きたいところだが、そうも行かないのが現状のタイガースの内野陣だ。

まずはファーストからだ。

一塁手

ゴメスが退団したこと、そして福留のコンバートが白紙になったことで、まさかのファースト不在という不測の事態に陥っている。

いったい球団は何をやっているのかと言いたくなる。

守備力においては、比較的重要なポジションではないため、打力重視で考えてもいいだけに、ゴメスを手放した影響は少なからずマイナスに働くだろう。

では誰が適任かと言うと、打力だけで考えると『原口』しかいないだろう。

新しい助っ人を獲得するかもしれない、と新年の挨拶で球団社長がコメントしたが、現状で打力を計算できるファーストとなると原口が適任である。

次にサードを見てみよう。

三塁手

ここはホットコーナーと呼ばれるポジションで比較的守備力も考慮しつつ、なおかつ打力も求められる守備位置になる。

まずは第一有力者として新助っ人のキャンベルが上げられる。

しかし、実力は疑わしい。

マートンとオスンファンの一件以降、助っ人外国人の「素行」を球団は過剰なほどに敏感になっている。

そんな中で、今年獲得した「お利口さん」キャンベルの補強が成功したとはとても思えない。

実力が未知数すぎて、計算に入れるべきではない。

獲得したからには起用しなければいけないというジレンマに苛まれることも監督が頭を痛める要因だろう。

2016年は不調からサードを守る機会があった鳥谷については、ショートでチャレンジすることが明言されている。

またまた厳しい言い方になるが、新井や今成は打力が寂しすぎる。

陽川も将来性はあるものの、一軍レベルには程遠い。

となれば、ここは“博打を打つ”しかない。

2016年は投手豊作のドラフトだった。

それにもかかわらず、金本監督は候補リストの中で「打球を一番遠くに飛ばせる選手」として、強行に1位指名をした選手がいる。

サードは大博打を打つ意味でも『大山』を起用してみたい。

高山が新人王を獲ったという前例にならって、大山に一年間サードを任せてみようではないか。

さぁ続いては内野守備の中で重要なセカンドとショートを見ていこう。

遊撃手

ショートに関しては、文句なしで『北條』で決まりだ。

私は「鳥谷の復活」という昨年からファンやマスコミが期待する声にいまいち理解ができない。

復活もなにも、昨年の鳥谷は実力のすべてを出していたと思うからだ。

「不調」だったとか「スランプ」だったという訳ではない。

いちプロ野球選手として、当たり前に訪れる「ピークを過ぎた」状態になっただけである。

考えてもみて欲しい。

もともと鳥谷は毎年必ず3割30本のホームランを打つ選手だっただろうか。

打率は2割後半、ホームランもあと少しで20本に届いたのになぁ、という成績が常であり、そこが鳥谷の打力のピークだった。

間違えてはいけない、鳥谷は守備の選手だ。

その守備すら、昨年はミスが多くて見ていて痛々しかった。

これも守備力のピークが過ぎたと考えれば納得がいく。

鳥谷の守備力に疑いの余地はないが、鳥谷に驚異的な打力を期待することは、おかしな話なのである。

昨年は「打撃のスランプから守備でもミスが目立つようになった」などと頻繁に言われていたが、なんてことはない、「守備力のピークも過ぎた」だけの話である。

断言する。

鳥谷が最盛期の活躍を見せることはもうない。

かなり酷な話ではあるが、選手として当然の出来事なだけである。

そしてチームとしても新陳代謝をして、新しい世代にバトンを渡さなければいけない。

その対象として、昨年途中から活躍しだした北條は打ってつけである。

鳥谷から北條へ。

チーム関係者、そして我々ファンも、そのバトンがしっかりと受け継がれることを理解して、サポートしていく必要がある。

最後にセカンドを見ていこう。

二塁手

このポジションは打力を捨てる覚悟を持つべきだと私は思う。

絶対的な守備力を有している最適の選手が阪神タイガースには在籍している。

セカンドは『大和』以外に考えられない。

阪神タイガースは、なぜ二塁手のスタメンで大和を起用し続けないのか。

私の中で長年に渡って理解できない事実だった。

控えに甘んじさせておくなら、移籍させてあげた方が大和のためになる。

それぐらいにもったいない采配だと思う。

繰り返しになるが、セカンドの打力は捨てるべきだ。

内野守備のキーとなるセカンドは守備力が一番ある選手を使えば良い。

山田哲人や過去の井口のような打てるセカンドはレアなのだ。

打てなくても良いという考えを持つべきだと思う。

ここまで、かなり長くなったが、最後の項目である外野手はスムーズに決まる。

それでは見ていこう。

外野手

現状のタイガースで一番ポジションが安定しているのが外野手だ。

レフト高山、センター糸井、ライト福留。

これ以外はあり得ない。

この中に割って入れそうな選手は江越ぐらいだろうか。

それほどに今のタイガース外野陣は磐石と言っていい。

いや、磐石と言うべきか、レギュラークラスと控えの実力差があると言うべきか。

とにかく戦力の底上げとして、この3人を脅かす選手が出てきて欲しいというのが本音だ。

では、最後にここまで選出した8人の打順を組んで開幕スタメンオーダー予想を完成させたいと思う。

開幕スタメンオーダー

かなり前置きの説明が長くなったので、急ぎスタメンオーダーを発表する。

1.大山 (三)
2.糸井 (中)
3.原口 (一)
4.福留 (右)
5.高山 (左)
6.北條 (遊)
7.大和 (二)
8.坂本 (捕)
9.先発 (投)

まずは8番から説明する。

守備力重視のオーダーという前提をしっかりと抑えた打順になっているため、守備の要のキャッチャーを8番にした。

打線において坂本が注意しなければいけないポイントをあげるとすれば、ただひとつ。

「ツーアウトで回ってきた打席は死に物狂いで出塁する」

これのみでいい。

9番で打線を切り、次の回は1番からの攻撃にするという役目だ。

打率や本塁打、打点などは気にする必要がない。

次に守備で重要なセカンドとショートを下位の6、7番に置いた。

6番の北條はクリーンアップが取りこぼした点を奪うという意味では少し比重が大きいが、成長を望むのであれば避けては通れない道だ。

7番の大和はケースバッティングが重要になってくる。

アウトカウント、ランナーの有無で打撃を柔軟に変化させるという技が求められるだろう。

続いてクリーンアップの説明をする。

まずは4番だが、現状の阪神タイガースでは福留以外に4番を任せられる人材がいない。

寂しいことだが、ここはベテランに頑張ってもらうしかない。

野手キャプテンという役割もあり、負担が少々大きくなることは懸念材料ではある。

次に福留の前を打つ原口だが、ここにはどうしても右打者を置きたかった。

というのも2番の糸井の盗塁が関係してくるからだ。

左打者で一塁ランナーを気にしながら打席に立つことは、相当なストレスになる。

かつて阪神タイガースには、2番赤星、3番金本という打線が存在していた。

赤星は驚異的な盗塁数をマークすることができたが、アシスト役に徹した金本のそのシーズンの打撃成績は著しく悪かった。

そういう理由で右打者として勝負強さもある原口を3番に置いた。

そして5番だが、糸井を2番に置かなければ3番として機能するであろう高山を選んだ。

何よりもチャンスに強いという打撃は、5番という打席で活きるに違いないと確信している。

2005年優勝の時の今岡誠のように、センスあるバッティングで打点を荒稼ぎして欲しいという期待を込めた。

そして、1・2番コンビだが、攻撃的な2番という金本監督の理想に賛成する形で糸井を2番に選んだ。

長打力も機動力も兼ね備えた攻撃型の2番は、タイガース打線の中で、昨年まで無かった色だ。

どんな化学反応を見せるか注目したい。

そして最後に大博打を打った「1番・大山」

これは2016年の高山に習えで、あえて大山を1番で起用することにした。

キャンプや紅白戦、オープン戦の打席次第で変化はあるだろうが、かなり楽しみではある。

まとめ

かなり長い文章になり申し訳ない。

辛辣な表現や、納得できない部分は多々あると思う。

阪神タイガースファンはひとりひとりが監督で、独自の理論があって、独自のオーダーを考えているということは、もちろん理解している。

なので、私の考えたスタメンオーダーに納得できる部分、納得できない部分はあって当然だと思う。

言いたいこともあると思う。

それでも、多くのファンの根底にある思いはひとつだと信じている。

『優勝して欲しい!』

そのひとつだ。

来るべき開幕戦に向けて、私の考えたオーダーで少しでもお楽しみいただけると、こんなに嬉しいことはない。

そして、秋には、ファンのみんなが最高の笑顔になっていることを期待している。

~最後に~

阪神タイガース2017年の開幕ローテーション予想をした「阪神タイガース2017開幕投手ローテーション予想」もあわせて確認いただければ幸いだ。