誰もが藤川球児の勝利を確信していた。
3回表裏の攻防が終わった京セラドームにはそんな空気で満ちていた。
じつに痛快な日曜日のデーゲーム。
得点は4対0で阪神が幸先良くゲームの流れを支配していた。
4回と5回を抑えれば、12年半ぶりの勝利の可能性が出てきた。誰もがその未来を描いていた。
しかし。
梅野を信頼できない藤川のジレンマ
矢野燿大という絶大な信頼を置いてきたキャッチャーと長年に渡ってバッテリーを組んできた球児。
「勝ったあとの矢野さんの笑顔が見たい」そんな言葉まで言ってたぐらいなんで、その信頼は凄まじかったんでしょうね。
27日の中日戦では梅野選手のサインに首を横に振るシーンが多く見受けられました。
そして決まって首を横に振ったあとはストレートが投げられる。
そんな流れが回を追うごとに増えてました。
梅野を信頼していないから球児は首ふって自分を追い込んで、結果相手につかまって同点されたんですよね。
カーブをあんな擦ったような打ち方でビシエドにバックスクリーンに運ばれてから、変化球に対する自信がなくなったのも要因のひとつでしょう。
あきらかにあのホームランの後に変化球投げるのを恐れていたように思います。
それでも梅野に対して信頼があれば勝負所での変化球サインに首を振ることはなかったんでしょうが、結果として球児本人は「強気のストレート」のつもりが「打算のストレート」になっていたように思います。
梅野が信頼を得るには時間が掛かるでしょう。何度も話し合ったり、試合を重ねることでしかバッテリーの信頼関係は構築できないと思うので、次の球児の登板で梅野がマスクを被るかは不明ですが、とにかく今後の信頼関係構築がうまくできるように願います。