早くもストーブリーグの報道が加熱してきたプロ野球。
パ・リーグは日本ハムとソフトバンクによる熾烈な首位争いが続いているが、セ・リーグは早々に広島の優勝で幕切れとなり、クライマックスシリーズ争いに焦点が絞られた。
阪神タイガースはクライマックスシリーズの可能性を少し残すものの、残り11試合で3位横浜との差は6・5ゲームという絶望的な状況だ。
現実的に見て、Bクラスが濃厚かという寂しい順位に甘んじている。
そんな中、来季に向けた補強の動きを球団は、いち早く取り掛かっている。
今シーズンで国内FA権利を取得する選手に他球団も注目する主力級の選手が何人か存在しているから、目が離せない。
オリックスの糸井、日本ハムの陽、中日の平田と大島。
その中でも争奪戦が予想されるオリックスの糸井嘉男がFA権の行使をする可能性が高いという報道が出ている。
もちろん、阪神タイガースも糸井獲得には前向きで、既に人的保証トレードも視野に入れた獲得の調査を進めている。
果たして本当に糸井は権利を行使してオリックスから移籍するのか。
そして阪神は彼を獲得するのか。
そんなことを考えていると、ひとつの疑問が頭に浮かんできた。
阪神タイガースに糸井嘉男は本当に必要なのだろうか?
今回は、このことについて語りたいと思う。
阪神タイガースに糸井は必要か?
現在のタイガースで外野手登録されている選手は全員で14人。
詳細は以下になる。
柴田、大和、福留、髙山、横田、江越、 伊藤、中谷、板山、緒方、俊介、ペレス、狩野、一二三
この中で、来季も阪神タイガースに在籍する可能性が高い選手、つまり、金本監督に認められていて戦力として頭数に入る選手は以下の9人だろう。
大和、福留、髙山、横田、江越、 伊藤、中谷、板山、狩野
残りの5人は戦力の見直しを図った際にもしかしたら構想外になる、という可能性がある。
では、この9人の中で、絶対的な選手はいるだろうか。
今年はルーキーの高山が良かったが、来年もその活躍を見せてくれるかは検討がつかない。
来年、更なる成長を見せてくれるかどうかが鍵になってくる。
成績は劣るが、一軍デビューを果たしている板山にも同じことが言える。
この2人に関しては来年の活躍は未知数、つまり、ルーキーを戦力として期待するのは、それなりのリスクと覚悟が必要になることだと思う。
一方のベテラン2人はどうだろうか。
4番を任されることの多かった福留は、来年で40歳を迎える。
来年も今年同様、シーズンをフル活動でバリバリ結果を残してくれるという保証はない。
狩野も代打の切り札としての切れ味は鋭いが、スタメン出場して外野の一角を担うという役割の選手ではない。
ルーキー、ベテランはどう転ぶか読めないというのが、戦力を冷静に分析した結果の答えとなるだろう。
やはりチーム力アップの答えは明白に見えている。
伸び悩む中堅選手の成長なくして、タイガース外野陣の安泰はない。
大和、横田、江越、 伊藤、中谷の5選手の中から、中心選手としてタイガース外野陣を牽引していく選手が現れないといけない。
外野手は総合力がものをいうポジションだと思う。
長打、短打に関わらず「打てる選手」で、尚且つ「守備と走塁もできる選手」が必要なのだ。
打力で魅力なのは江越と中谷あたりだろうか。
ただ、守備と走塁の面で課題がまだまだ残る。
守備で光るのはやはり大和だが、打力が寂しすぎる。
そして、悲しいことに、走塁で魅力的な選手は皆無と言っていい。
現状のレベルでは、12球団の下から数えたほうが早いぐらいにタイガースの外野陣は物足りない。
では、話題を糸井嘉男に戻す。
今年で35歳という年齢になった超人だが、衰えた姿はまったく見えない活躍を今シーズンは見せてくれている。
128試合に出場して、
打率 .306
本塁打 12
打点 63
盗塁 51
なんといっても盗塁の多さには驚かされる。
まさに超人。
ライトの守備も安定感は健在だ。
走攻守において、すべての面で現状のタイガース外野手に入るとトップになれる力がある。
戦力アップという面では、糸井を全力で獲得する価値はあると思う。
近年のタイガースファンやマスコミ、一部の野球評論家がよく言う、
「マネーゲームでの大型補強は辞めるべきだ」という意見があるのだが、
僕はそんなものはお構い無しで、取るべき価値のある人材には金をはたいてでも獲得すべきだと思う。
「それでは外野手の一枠が埋まって生え抜きが育たないじゃないか!」
そんな声が聞こえてきそうだが、
「じゃあ糸井よりも使いたいと思えるように成長して、結果を残せばいいだけの話だ」
と反論しよう。
これはプロ野球の話だ。
そう、結果がすべてのプロの世界だ。
糸井を獲得することによって、若手の成長が止まるようなチームなら、糸井を獲得しなくても未来は暗いままだろう。
ならばいっそ獲得して戦力アップして、優勝を目指せるチームになったほうが良い。
金本監督自身が、阪神に移籍してきたときのように、優勝を担うことができるチーム作りの為の移籍にすれば良い。
糸井は無駄な人材ではない。
魅力的な選手だ。
今の阪神のカンフル剤には、もったいないぐらいの選手だ。
マネーゲームで金の無駄だとか、育成の邪魔になるとか、そんな言葉は糸井には必要ない。
強いチーム作りのために必要なピースであるのは間違いない。
全力で獲得に向けて動くべきだと僕は強く思う。
最後に2017年の補強情報をまとめた以下の記事もお楽しみいただければ幸いです。
阪神タイガース2017年補強まとめ!FAや外国人獲得の最新情報