人数の規制がこんなにも窮屈に思えたことはない。
プロ野球の規定で、一軍登録可能な外国人選手枠は4人。
現在、阪神タイガースに在籍している外国人はメッセンジャー、ドリス、マテオ、ゴメス、ヘイグ、ペレスの6人です。
つまり2人は常に二軍に在籍させていないといけないということになります。
誰が一軍に登録されるのか、今年は様々なポジションで激しい競争が起こっていますが、この外国人枠争いも目が離せない内容となっています。
当確はゴメスとメッセンジャー
まずはこれまでの実績からして、ゴメスとメッセンジャーの2人は一軍レギュラー確定です。
来日3年目となるゴメスは4番として起用されることは間違いありません。
3年目で初めてキャンプイン初日に間に合わせて準備をしてきました。
121キロあった体重も、昨年オフの金本監督との面談で減量を約束していたゴメス選手はマイナス6キロの減量に成功してキャンプインしました。
連日の打撃練習でも、力感のないスムーズなスイングでサク越えを連発しています。
状態も良く、昨年の悔しさもバネにまた打点王に輝いた2年前の活躍を見せてくれるでしょう。
もう1人の確定選手はメッセンジャーです。
もう説明不要の安定感たっぷりの投手なので、これまでのパフォーマンスを見せてくれさえすれば、打撃陣の活躍にもよりますが、12勝ぐらいはしてくれるでしょう。
残る2枠をかけて競う4人
昨年まではマートンとオスンファンという頼もしい助っ人が在籍していたので、外国人枠で競争が起こったことはあまり無かったですが、今年はこの2人が退団したことと、新たに3人の助っ人外国人を獲得したことによって、事態が急変しております。
キャンプ前は新入団のドリス、マテオ、ヘイグの3人を一軍キャンプに胎動させてふるいにかける予定でしたが、キャンプイン前日に伊藤隼太選手の故障があり、高知の二軍キャンプからペレスが召喚されました。
このことで4人による激しい戦いが勃発します。
守護神候補のマテオは順調にアピール
オスンファンに変わる守護神候補の筆頭であるマテオと、マートンとタイプが酷似しているヘイグが当確なのだろうと予想していました。
マテオ投手は触れ込み以上の能力がありそうです。
「なかなか打てるものじゃない。相当いい。一級品。見たことがない」と金本監督が大絶賛したのは、見たこともないほどの横滑りをする高速スライダー。
初の実戦練習となった紅白戦では、1回を1安打1奪三振の無失点に抑えました。
その日のストレートは151キロを記録して、新井選手からは噂のスライダーで三振を奪いました。
マテオはこのまま順調に実戦を重ねて行けば、一軍当確だと思われます。
これで残りは1枠となります。
課題が多いドリスは一歩後退か?
続いてドリスを見てみましょう。
入団会見では160キロは出る!と豪語していただけに、スピードはかなりのものがあります。
しかし変化球の制球にまだまだ課題があるようで、実戦登板デビューとなった14日の紅白戦では、ワンバウンドした変化球が5球あり、内容としても1回を4安打1奪三振、3失点というものでした。
ストレートは常時150キロ以上出ていたようですが、江越選手などに簡単に弾き返されたことを見ても、球筋はそれほど複雑ではないようです。
ドリス投手はこれからの巻き返しが必要でしょうね。
マートンの穴埋めは可能か?まだ謎の多いヘイグ
続いてヘイグ選手ですが、触れ込みにあったアベレージタイプのバッターであることは間違いないようです。
マートンのようにパワーよりもミート力で勝負強いバッティングができるかどうかが鍵になってきます。
打線として次に繋げることをできるかどうか。
左脇腹付近の張りで練習をキャンセルする事態になりましたが、幸い大事には至っていないようで、現在は別メニューをこなしています。
11日の初の紅白戦では2安打を放ち、存在感をアピールしています。
それでも脇腹の故障ってよく、長引くと言いますので、ちょっと心配ではあります。
しかし、16日にはノック練習を再開しました。
動きに問題はなさそうですが、全会一致というわけにはいかないようです。
翌17日にはドーム内でティー打撃を再開しました。
屋外での打撃はまだお預けのようです。
順当に行けばヘイグが残りの1枠を埋めるだろうと思われていましたが、ここに伏兵ペレスが割って入ろうとしています。
ペレスはラッキーボーイになれるか?
伊藤隼太選手の故障離脱を受けて、急遽二軍から呼ばれたペレス選手は、ここまでまずまずのアピールを続けています。
11日の紅白戦では、3打数ノーヒットの2三振と散々な結果になりますが、ここから脅威の巻き返しをします。
12日のフリー打撃では快音を響かせて、猛アピールします。
そして、16日の練習試合、楽天戦では逆方向のレフトへホームランを放つという大きな結果を残します。
外国人枠と外野手枠という2つの壁をどのようにして乗り越えて行くのか、ラッキーだけではなく、その実力でレギュラーの座を奪い取ってほしいですね。